資産価値を上げるためのリノベーション、どこからやるべき?
中古物件を投資目的で購入し、失敗する原因の約7割がリノベーション費用の負担の大きさだとされています。自分で楽しみながらリノベーションをする場合でも、絶対に修繕しないといけないところを見極めないと予算的に厳しくなるでしょう。今回は、資産価値を上げるために、リノベーションを行うべき順番と心構えについて解説します。
まずは水回りの手入れから
資産価値を上げるためのリノベーションの順番は、トイレ、浴室、キッチンの水回りから行うことをおすすめします。なぜなら建物の1番傷みやすい部分は水回りで、中古物件の場合はキッチンやお風呂、トイレの設備は老朽化していることが多いようです。
トイレやキッチンなどの水回りは見た目がきれいでも、パッキンなどが弱っている場合があります。水回りは毎日使う場所なので、突然のトラブルで使えなくなったなどのトラブルを事前に避けたいところでしょう。入居前であれば、配管などの見えない設備や劣化による水漏れなどを防ぐことができるのです。
実際に失敗した人の声を聞くと、意外に水回りのリフォームが必要で金銭的な負担が増えてしまったという声もあります。修理や入れ替えに時間がかかり、入居前にしかできない水回りからリノベーションを行うのがおすすめでしょう。
トイレの手入れ
陶器製の便器やタンクはひびが入らない限り、50年以上使えるともいわれています。とはいえ、経年劣化で茶色く変色してきたり古びた感じが出てきたりします。自分で使うのであれば大きな問題にはなりませんが、投資物件で考えた場合、まだ使えるからという発想は資産価値を大きく下げてしまうのです。清潔感や快適さを考えて、入居者目線を大事にすれば自ずと物件の資産価値も上がるでしょう。
浴室の手入れ
給湯設備の状態は、購入前にしっかりと確認しましょう。なぜなら耐用年数に近づいていたり劣化していたりする場合が多いからです。床材や壁材も交換すれば、よりリノベーション費用も余計に多くなってしまいます。トイレと洗面所などは比較的目につきやすい場所です。しかし、お風呂までは気が回らず、水垢が微妙に残っていたり、カビが繁殖していたりと見た目にも汚いことが多いです。水回りは徹底的にリノベーションをした方が衛生的ですし、資産価値も高まります。
キッチンの手入れ
キッチンのリノベーションも重要です。なぜなら古い物件はキッチンの高さが低い場合が多く、毎日料理をする人にはおおきなデメリットになるからです。システムキッチンの導入などでは50〜100万円の多くの費用がかかってしまう場合もありますが、公団キッチンを導入することで費用をおさえることができます。公団キッチンとは、水道工事が不要で、ある程度のDIY知識さえあれば比較的簡単に入れ替えが可能な商品です。低予算でキッチンのリノベーションを行いたいなら、視野に入れておきましょう。
物件の印象を左右する外観
資産価値をあげるのであれば外観のリノベーションは必須です。中古物件の下見に出かけるお客様の多くは外観を重視するからです。いくら室内が完璧にリノベーションがされていたとしても、外観の汚れが目立つ物件は資産価値が低くみられてしまいます。
しかし外観のビジュアルばかりにこだわるのは、入居後のトラブルになる可能性が高くなります。外壁の塗装や屋根などの防水性は入居者、さらに購入者側のメンテナンス性も悪くなるので住み心地やメンテナンス面でも重要でしょう。
大規模なリノベーションは必須とは限らない
資産価値をあげるためには、大規模なリノベーションが必須とは限りません。なぜなら、費用がかかるためすべて行うと、最悪は赤字になってしまう恐れがあるためです。費用をかけずに中古物件をきれいにできれば、物件への入居率を高められるでしょう。
最低限のリノベーションは必須ですが、なるべくコストをおさえることが大事です。たとえば、水回りでは配管や床材の水漏れがない場合、古い蛇口を新品にとりかえるだけで印象がよくなり、資産価値を上げることができます。蛇口交換は3万円程度で交換できるので、コストをおさえつつ資産価値をあげられるでしょう。
カビや水垢が気になる場合は、ハウスクリーニングを実施すれば約3万円の清掃費だけで、水回りをきれいにできるため、大幅なコスト削減になります。大規模なリノベーションは必須ではないので、予算をおさえつつ、資産価値をあげる方法を模索することも重要です。
事前に入居する人の意見をききながらリノベーションを行う方法
入居してほしい人の意見を聞きながらリノベーションを行う方法もあります。事前に入居したい人がいれば、意見を聞きながらリノベーションを行うことで余計な部分の修繕がいらなくなります。結果的に長く住んでもらえるので、空室のリスクも抑えられるでしょう。
資産価値を上げるためのリノベーションの順番は、水回りから行いましょう。トイレや浴室、キッチンのリノベーションが済んだら、物件の資産価値を左右する外観に取りかかります。外壁は見た目の他に、メンテナンス面でも重要です。
費用をかけずにリノベーションができれば、利回りを上げられるでしょう。大規模なリノベーションが必要ではない場合は、自分でDIYをしたり、ハウスクリーニングに依頼をしたり、少し工夫してみましょう。